kishimotomann’s diary

人生の甘露の一滴になっていただければ

ドラマ揖龍を見て

 フジテレビで医龍を見てたらバチスタ手術がよく出てきてたんですが実際にそんな手術があるのかを思っていて調べてみました拡張型心筋症はとくに左心室の筋肉が収縮する働きが低下し心室が大きくなることでさまざまなトラブルを引き起こしますそれならば大きくなった左心室の壁の一部を切り取り縫い縮めて左心室の直径を短くすれば収縮が元に戻るのではないかそうした発想から考案されたのがバチスタ手術です

 一時期はアメリカをはじめ日本でも症例が重ねられ症状によっては一定の効果が得られると脚光を浴びましたしかしアメリカの主要施設で術後の再発や死亡を指摘され同国の慢性心不全ガイドラインでも、「有益ではないまたは有害であり適応でないことで意見が一致していると推奨されていませんいまは日本も含めてほとんど行われていないのが現状です

 そもそもバチスタ手術は難易度が非常に高いといえます心筋梗塞を発症して心臓の一部が硬くなった場合であればその部分にメスを入れても出血はしませんしかしバチスタ手術は動いている心臓の筋肉の一部を切り取って縫い合わせます正常な筋肉にメスを入れるわけですから栄養血管である冠動脈を損傷することで縫合部の止血に苦労したりそこが原因となって術後の危険な不整脈を誘発することがありますそれだけに術中術後にトラブルを起こす可能性が高くなるのです医療ドラマで気になることは全て調べます